冬の海へ
1日2回、母を助手席に乗せてドライブするのが日課になった。昼食時と夕食前。
以前は、母が楽しめるようにと考えて、名所といわれる所や催し物があっている所に出かけていたが、今は私が適当に行き先を決め、目的もなく車を走らせることが多い。最近の母は、病気?と老化のため、見たことも次々に忘れていくし、人混みに出たり歩き回ったりするのも億劫になっている。でも、家にジッといるのは耐えられず、ソワソワし出して隠れてビールを何本も飲む状態(近くの酒屋やスーパーには一人でまだ行ける)。
そこで考えたのが、私が楽しいと思うこともしながら、母をいっしょに連れてまわる方法。これだったら、私も負担が少ないし、母も大喜び。母は私の車の助手席に座っている時、一番うれしそうな顔をする。気持ちも安定しているように見える。
今日は海が見たくなった。内陸部に住んでいるので、海までは1時間半はかかる。それでも、思い切って出発!
行く途中も(帰りも)、母は私のことを褒めまくる。「私は幸せ!」を連発。同じ話を何度もする。今ではようやく慣れて、聞き流せるようになった。
目的地に到着。といっても、ただ海沿いの道路を走るだけ。冬の海、よかった。車も少なく、人影もない。厳しい表情(波や色)に、なぜかホッとする。
昼食は近くの「道の駅」。食事も弁当などを買ってきて、車中で食べるのを好む母。車から降りようともしない。「天然物」の表示に惹かれ、やや高めの「ふぐめし」と「穴子めし」を買う。まあまあのおいしさ。
二人とも満足?して帰宅。ちょっと疲れた私は近くの理容院へ。約1時間後帰ってみると、3本もビールを空けて夕食の準備をしようとしている母(実際にはもう夕食の支度はほとんどできないのに…)。怒りまくる私。母に何を言ってもしょうがないのだけど。
ある程度文句を言ったら私も落ち着き、気持ちを切り替え、ドライブ第2弾に出発。今夜から寒波到来のニュース。陸の孤島になってもいいように、食料品の買い出しへ。
こんな毎日の繰り返し。あー、でも、来週からは仕事も加わるんだったあ。


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